時の漂着

概要

2008年9月, 10月 オリンパスギャラリー東京・大阪
69, Digital カラー 16×20in. 12×16in. 45点(当サイトでは24点を公開)
発表時サブタイトルとして「板谷峠の鉄道遺構から」を付記

作品について

奥羽本線、その福島・山形両県境に、かつてスイッチバックの連続する路線として、また撮影地として名を馳せた板谷峠がある。その深い山中にあって秘境駅として名高い赤岩駅周辺の旧線廃線跡に眠る、明治期から昭和期にかけてのレンガ(煉瓦)積みのトンネル(隧道)、橋梁などの鉄道遺構を撮影した作品。撮影期間は2006年から2008年まで。

軍艦島を筆頭に、廃墟がブームになって久しい。すでに、何人かの写真家によって廃墟写真集が出版されているし、熱狂的なマニアによって世に出た出版物・コンテンツも数多くある。私も廃墟に関心のある身ではあったが、ここでは写真を撮る者として、その趣味的な思いをいったん外に追いやり、板谷峠の地に足を踏み入れた。

土木遺産や近代化遺産といった歴史的意義を確認するための記録収集撮影にとどまるものでなく、ノスタルジックな感情に基づいた感傷的な物語でもなく、廃墟(廃線)に目を向けながらも、それがニュートラルなものであることを目論むところがあった。

今回の展示はメーカー系のギャラリー、それもニコンやコニカミノルタではなく、縁あってオリンパスで行うことになった。コアな写真鑑賞者には足が向きにくい場であったのが心残りではある。

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展示状況
展示状況

参考文献

『奥羽本線福島・米沢間概史』進藤義朗(プレス・アイゼンバーン)
『鉄道廃線跡を歩くVIII、X』宮脇俊三 編著(JTBパブリッシング)